論理学FAQのブログ

授業でもらったコメントに対して書いたリプライを、ブログ形式に編集しました。

オンライン講義YouTube配信実録(5)ー音ズレ再発編+Atem Mini Proのこまかい話

 

takuro-logic.hatenablog.com

の続きです。

配信中の音ズレがハードウェアの問題かなと思って、ミキサー周りをV-02HDからAtem Mini Proに変えてみたのですが、結局再発しました

配信中にOBSで遅延時間を変更できることがわかったので(一瞬だけ音声は途切れる)、300msほど音声を遅らせてやってちょっとはマシになりましたが、まあ困りました。

この間、以前のハードウェア環境でも何度か実験したのですが、そちらでは問題は再現せず、問題の切り分けもやりようがない状態です。

困りましたね。かなりあきらめモードです。

Atem Mini Pro

ついでなので、Atem Mini Proについてこまか〜いことを書いておきます。HDMI入力を4つ備えたミキサー・スイッチャーでかなり高機能です。今回の配信では、カメラ映像・音声と、講義スライドの映像を入力して、それらをスイッチしたりミックスしたりして、MacBook Proに入力しています。

よいところ(1) USB-CでMacBook Proと接続:あいだにキャプチャーボード挟まなくてよいのは精神的にいいですね。

よいところ(2) PinP (ピクチャーインピクチャー) 操作:講義映像は「スライド+講師の顔ワイプ」が基本なので、PinPは重要です。とくに、ワイプを画面4隅のどこに出すかをワンボタンで操作できるのがありがたいです。わたしは基本、右下隅に置いてますが、そこにスライドの文字が来たら右上隅に逃がすことができます。やりすぎるとうるさくなるでしょうが、なるべく先生のお顔は写したいのです。

残念なところ(1) PinP設定:ひとつ残念なのはデフォルトのワイプが少し小さいところです。もちろん、MBPにインストールしたAtem Software Control内でワイプの大きさや位置設定を変えることはできるのですが、なんと、上述の場所変更操作をすると、設定がデフォルトに戻ってしまうのです!これ、ソフト側のアップデートで早めに何とかしてほしいところです。

残念なところ(2) 直接配信:Atem Mini Proの売りはLANケーブルをつないでの直接配信ですが、それをコントロールするAtem Software Controlが貧弱なので、あまり使えないなあという印象です。配信の前後にスライドショーを流したりしたいのですが、それも無理 (画像1枚表示はできる) となると、なかなか厳しいです。

オンライン講義YouTube配信実録(4)ー続・音ズレ編

前回の

takuro-logic.hatenablog.com

のアップデートです。とくに有益な情報はないかもしれません笑

上記エントリを書いているうちになんとなく、ソフトウェアではなくハードウェアの問題かなと思うようになってきたので、ミキサー周辺を取っ替えることにしました。結果として、不安定な音ズレ問題は解消したようです(いまのところ)。

変更点

これまでは、

カメラ→HDMIケーブル→ミキサーV-02HD→HDMIケーブル→キャプチャボード→USB type A-C変換アダプタ→MacBook Pro

という経路でしたが、

カメラ→HDMIケーブル→ミキサーAtem Mini Pro→USB-Cケーブル

に変更しました。

もともと、ミキサーから3つのケーブル・デバイスを挟むのがあまりいい気分ではありませんでした。トラブルが起こる可能性が3倍 (3乗?) になってしまうので。その点、Atem Mini ProはUSB-Cの1本でつなげるのでわりと気が楽です。

結果

今朝1回のテスト配信および2コマの講義を通じて、不安定な音ズレは起こりませんでした。正確に言うと、最初から音ズレは生じている(200msくらい)のですが、OBSでそのぶん音声を遅延させておけば、それ以上ズレるということはありませんでした。これは先日までのうまくいっていたときと同じ状況です。

ということで、

V-02HD→HDMIケーブル→キャプチャボード→USB type A-C変換アダプタ

のどこかにトラブルが生じているのではないかと思います。今日の配信後、もう一度この従来のセッティングでテスト配信したところ、不安定な音ズレが再現したので、ほぼ確定と言ってよいのではないかと思います。

他方で、自宅の環境(別のカメラ→Atem Mini Pro→iMac)でテスト配信したときはそもそも音ズレはまったく生じなかったので、MacBook Proあるいはカメラ(Lumix)のほうに何かしらの原因があるという可能性も残っています。

今後

Atem Mini Proは私物なので、何とかV-02HDを使いたいところです。ということで、上のセッティングのどこに原因があるのか、ぼちぼちテストしていきたいと思います。V-02HDのファームウェアアップデートとかですぱっと直らないかな。

授業動画公開:古典述語論理(5)(6)

前期はこれで終わりです。かなりぎゅぎゅっと凝縮して話しているのでどうでしょうか。

youtu.be

youtu.be

述語論理の再生リストも貼っときましょう。

www.youtube.com

前期はこの論理学ともう一つの非常勤授業で合わせて40本ほど動画を作ったようです。授業全体のデザインには改善点はまだまだあると思いますが、授業のコアフォーマットとしてはわるくないと思うので、また共有したいと思います。

オンライン講義YouTube配信実録(3)ー音ズレ編

配信の手順には慣れてきましたが、わりと大きな問題が出てきました。音ズレです。解決策は見えません。とりあえず問題を共有します。

問題

カメラからミキサーを通じて入力した映像と音声を、OBSを通じてYouTubeに配信しているのですが、音がズレます。基本的に音声に対して映像が遅くなります。

英語ではout of syncと言うんですね、勉強になりました。

害のない問題

音はズレるものだと思っていたので、つねに本配信の前にテスト配信をして、そこでズレを確認し、OBSの「オーディオの詳細プロパティ」で調整していました。接続環境に依存するでしょうが、おおむね音を200ms遅らせることでちゃんとシンクしていました。これには何の問題もありませんでした。

害のある問題

問題は、配信中にズレの程度が変化するようになった、ということです。配信後5分くらいからズレ始めているようです。しかも2パターンあるようです。

  • だんだんと単調にズレが大きくなる。
  • いったんズレが大きくなったあと、自然に解消する。しかしまたズレる。

のんびりした配信ならいったん止めてOBSを操作すればいいのですが、かなりスピーディな講義なので途中で操作するのも難しそうです。

また、それ以前とハード・ソフトの設定を(少なくとも気づく範囲では)変えていないのに、突然問題が発生するようになったので、ちょっと困ってしまいます。

いろいろググってみましたが、類似の問題は見つかりましたが、有効な解決策は出ていないという状況のようです。

obsproject.com

ハードウェア

ハード、ソフトの設定を説明しておきます。まずハードウェアから。

このあと見るように、ソフトウェアの問題ではなく、上記のうち安物のキャプチャボードあたりが悪さをしてるんではないかという気がしてきています。他の機材はそこそこちゃんとしてるものですし、MBP16のスペックも十分だと思います。配信時のCPU使用率は3%程度です。それでもズレます。

ソフトウェアなど

ソフトウェアは関係するのは

  • OBS

だけですね。本配信では一緒にZoomなども動かしてますが、テスト環境でOBSのみで動かしても問題は再現しました。ただし、OBSはターミナルから起動させています:

qiita.com

まあこれも関係ないでしょうね。

OBSの主な設定は

  • エンコーダ:アップルVT H264 ハードウェアエンコーダ
  • ビットレート:2500 or 5000 Kbps
  • 音声サンプリングレート:44.1kHz or 48kHz
  • 基本解像度・出力解像度:ともに1920x1080

音声のサンプリングレートを変えればよいという情報もありましたが、どちらでも問題は再現します。(追記:いちど44.1kHzから48kHzに変更した直後は30分ほどズレることなく配信できました。しかし、次の配信ではズレるようになりました(絶望)。)

ネット接続速度は、大学の有線LANなのでめちゃ速いです。常時1000Mbps弱出ています。MBPのスペックと合わせて、かなりラグジュアリーな環境なのにどうしてでしょうね。

 

ということで、ハードウェアがあやしいのではないかと見て、次はV-02HDではなく、Atem Mini Proでやってみます(キャプチャボードがいらないので)。

授業動画公開:古典述語論理(3)(4)

前回

takuro-logic.hatenablog.com

に引き続き、古典述語論理です。述語論理はとにかく細かいところがめんどくさくて、自分で勉強するのはともかく(いや、細かい話、好きなんですよわたしは)、教えるのはほんとうにつらいものがあります。

で、動画では、めんどくさい部分はレジュメに丸投げして、わりと骨太のアイディアのみを話しているので、それを楽しんでいただければと思います。

youtu.be

youtu.be

前期はとりあえず述語論理をさいごまでやります。ゴールが向こーーーうの方にかすかに見えてきました。

でもそれをやり終えたとしても、今期は学生さんに十分な教育を提供できなかったという思いでかなりつらいです(学生さんのほうがつらいか)。致し方ない部分も多々あるのですが、大学全体としてもそうだし、わたし個人としてもコロナに由来する業務量爆発に完全に振り回されています。

後期は落ち着いてやりたいです。できれば、動画を作って見てもらって、教室では演習に専念する反転授業にしたいなと思ってます。さてどうなることか。

オンライン講義YouTube配信実録(2)

 前回のこれ

takuro-logic.hatenablog.com

の続きです。大失敗したら書かなかったと思いますが、ひとまず大過なくスタートしたので書きます。機材だけでなくオペの問題などについても触れたいと思います。配信担当の人間のアタマの中のぐちゃぐちゃ具合をそのまま出しただけで、あまり有益情報はないかもしれません。

配信内容

次のような立て付けで考えていました。

  • 1時間ほどのZoomでの少人数の学生を相手にしたオンライン講義
  • その様子をYouTubeライブで配信
  • 同時にTwitterライブでも簡易配信(iPhone上のPeriscopeで)
  • 以上を基本1日2コマ×土日の2日

Zoomミーティングから直接YouTube配信は可能で、それがかんたんではあるのですが、どうにも画質が悪い。先生方のお顔はともかく、スライドがぼやけて見えないとなるとちょっとどうしようもないので、次のような機材で臨みました。(Zoomを高画質配信してる感じのをときどき見るんですがあれはいったいどうやってんのでしょうね。)

機材・配線など

機材の中身は前回とほとんど同じです。

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  • カメラとスライドの映像をミキサー(V-02HD)経由でMBPに取り込む。
  • MBPに取り込んだ映像・音声データはOBS (→YouTube) とZoomの両方で利用する(よりよい画質で配信できる)
  • V-02HDから来たデータをそのまま配信するモードと、Zoomの画面・音声をOBSに取り込んで配信するモード(Zoom上で質疑応答が行われるとき)の2つを用意する

最後のポイントをmacOSで実現するのはわりと苦労します。配信するならWindows PCのほうがいいと思います。次のような先人の知恵をお借りします。

qiita.com

note.com

音声の取り込みはsoundflowerやLadioCastを使うのがスタンダードだと思いますが、どうもそれでは機能せず、結局background musicという仮想ミキサーを導入するとうまくいきました。

jittodesign.org

と、苦労したのですが、配信中に上記のモード切り替えを行うのにちょっとリスクを感じて、Zoomモードは取りやめにしました。。

開始前にZoomの参加者も含めて音声チェックなどしたかったのですができなかったことと、配信者のMBPからZoomミーティングを開いているので、それを講師の先生にどう見てもらうかが解決しなかったためです。

後者は、一人で授業やりながらZoom開いてYouTube配信してるなら生じない問題です。このあたりの配線というか段取りというか、考えれば考えるほどアタマが痛くなってきます。

オペ

ワンオペ前提でいろいろと想定して、ほぼ想定どおりに何とかこなせるということはわかりましたが、まあ移動込みの1日2回設営×2日×高温多湿はふつうに体力的にきついですね笑。

それに、Zoomミーティング開始、Twitterライブ配信開始、カメラ録画開始、YouTubeライブ配信開始、と順々に開始するのですが、ワンオペだと、どう考えてもこのうちカメラ録画を忘れますね。次回から紙に段取りを書いておくことにします。

先生にYouTubeのチャット欄の反応をどう伝えるか (講義中は見る余裕はない) 悩んだのですが、質問をピックアップしてmacOSの「メモ」にコピペしていって、質疑応答の時間にiPad上の「メモ」から見てもらう方式にしました。リアルタイムで更新できるのでこれはよいソリューションでした。

そんなわけで、配信中も、ミキサーでカメラとスライド、ピクチャー・イン・ピクチャーの切り替えをしながら、ZoomとYouTubeのチャットをチェックするという、わりと忙しい時間が続きます。

このあたり分業したいところですが、(まず人がいないのと) 分業のためにはまた別のデバイスが必要になって、そのネット接続にも気を遣わないといけないし、上の「メモ」連携もどうするか考えないといけないとかで、これはこれでしんどくなってきて、ワンオペでいいかと諦めてしまっているのが現状です。

まあなんとかなるでしょう。次回あたりで諸々が固まって巡航モードに入れればいいなと思ってます。

授業動画公開:古典述語論理(1)(2)

ひーひー言いながら動画を作っています。そして述語論理はいつまでたっても満足いく説明ができません。こちらもご批判たまわれば。

レジュメはこちらです。

すべてを表現する言語が存在する:古典述語論理

動画はレジュメと合わせてご覧ください。

youtu.be

youtu.be

古典述語論理のパートは長いので、まだまだ作らないといけないですね。がんばります。。